Sunday, December 03, 2006

(2006年12月4日06時04分 スポーツ報知)

 米大リーグ、マリナーズのイチロー外野手(33)が3日、大阪市内のホテルで行われた「山田久志野球殿堂入り祝賀パーティー」に出席。レッドソックスと入団交渉中の西武・松坂大輔投手(26)との対戦へ熱い思いを口にした。メジャーで6年プレー、首位打者を2度獲得しているスーパースターが「僕の奥底に眠っているものを沸き起こしてほしい。彼に対して挑戦者として向かっていく」とエール。2000年以来7年ぶりの勝負を心待ちにしていた。

 松坂への熱い思いが、イチローの口から飛び出した。壇上で司会者から、来季メジャーに挑戦する日本人選手について訪ねられた時だ。「特に松坂に関してですね。初めての対戦が因縁でしたから」穏やかだった表情の奥が、一瞬光った。

 イチローが「もっとも美しい野球選手」と、あこがれた山田氏の殿堂入りパーティー。7歳年下の怪物に送った初めての“肉声”のエールには、抑えきれないライバル心が見え隠れした。「99年ですね。(最初の対戦から)8年ぶりに再会することになるんですか」

 99年5月16日。18歳と25歳の注目の初対決は、イチローが3三振を喫し、平成の怪物の引き立て役に回った。通算成績は34打数8安打、打率2割3分5厘。レッドソックスの入札が決定した11月15日には「久しぶりの対戦は楽しみだけど、ちゃんと練習してこいよ」と先輩としてのメッセージを送ったが、この日の言葉には雪辱の思いがこもっていた。

 最大級の、激励だった。往年の名投手、山田さんに「アメリカにもサブマリンはいますが、ものすごいピッチャーはそういない」と話した一方で、「(最近は)ものすごく(自分の)闘志をかきたてるピッチャーが少なくなっている。ぜひ、松坂大輔に、僕の奥底に眠っているものを沸き起こしてほしい」と語ったイチロー。開幕3カード目の4月10日からの敵地ボストン3連戦が、公式戦7年ぶりの雪辱の舞台になる。

 山田氏のパーティー出席のため25日に帰国したイチローは、すでに神戸市内のオリックス合宿所で極秘練習をしていた。前日の2日夕方、ジャージー姿で現れ、1人トレーニングルームで汗を流したスーパースター。「彼(松坂)に対しては、挑戦者という気持ちで向かっていきたい」怪物との再戦の期待を胸に、メジャー7年目のイチローが動き始めた。

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