Sunday, September 17, 2006

重圧と戦い続けるイチロー 弱み、人間くささも

by 共同通信社

 どんなときも、何をやっても-。重圧という言葉は、まるでイチローのためにあるかのようだ。「WBCに出ることで公式戦が駄目だったらそれまでの選手だった、ということ。しっかりできると思うから、出る」。そんな決意を語ったのは、王ジャパンの福岡合宿を控えた2月だった。

 あれから約7カ月。「ああ言ったからにはやらないと、という気持ちはあった。それを示せてよかったと思う」。そう言える自分に少しだけ安堵(あんど)しながらも、既に次の重圧と戦っている。9回2死二塁でカウント2-1から左翼線適時二塁打。そこでは、節目の試合で最後の打者になりたくなかった重圧なのか。その問いを否定し、イチローは言った。

「あそこは201本目を打ちたい。そう自分にプレッシャーをかけていた」。202本目のしんどさもこれまでと同じか、それ以上か。

 めげそうになる自分へのカンフル剤として聴くロックバンドがある。「ザ・ブルーハーツ」。3月、WBCの2次リーグで絶体絶命に追い込まれた直後にさえ “封印”していたCDを、約1カ月前に取り出している。200安打を積み重ねるほど「むしろ自分の弱さしか見えてこない」と、イチローは認めた。重圧をはねのけるほど、人間くさくなっていく。(カンザスシティー共同)

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