Thursday, July 31, 2008

イチローの妥協なき日常の原動力とは? 一問一答(3)

2008年7月30日 (水) 17:51 MAJOR.JP

【アーリントン29日=丹羽政善】日米通算3000本安打を達成した試合後のインタビューも後半に差し掛かると、イチローは自身を追い込む原動力や、これから先のことについても語った。

——ヒットを打つ執着を周りの選手から感じるか?
「ほとんどないですね。けど、王(貞治)監督は、(現役時代に)ヒットを打ちたいという気持ちが自分より強いと思う人はいなかったらしいです。ただ、『イ チローは自分より強いかもしれない』って言ってくれたことがある。日本でやっているときですけど、それはうれしかったですね」

——4000本安打は見えているか?
「ものすごく遠くですけど、まだ見えないことはない」

——妥協なき日常。言い訳を作らない。強く自分を追い込める原動力は?
「僕が、何かを自分のために生かすことというのは、人のことを見て学ぶことが多いんです。人の行動を見ていると、すごく気になることがたくさん見えてき て、それを自分に生かすというやり方で、ずっとそうやって、今の自分があるような気がするんですよ。その中から、自分の信じているものなんかが生まれてき て、それを生かしていく。1994年に210本打って、給料が10倍になったわけですよね。あのときから、自分に対する責任、自分が負っている責任という ものを、考えるようになりましたね。自分の行動や、発言によって、大きな影響が出るということを。それからというのは、今これを人が見ていたら許さないだ ろうな、という行動はなるべくしないようになっていきましたよね」

——相手の視線を意識し、また相手を鏡にした?
「そういうことを考えるようになったのは、14年前かな。で、アメリカに来て、また想像していたものと違う世界があったわけです。いいことも悪いことも。 アメリカでは、特にはっきりと答えが出るので、僕にとってはすごく助けになりました。『あっ、ああやってやらなければいいんだ』ということが、あまりにも たくさんあって。あのね。『こうした方がいい』というのは答えが出づらいんですよ。でも、明らかに『それはまずいよね』という中には、はっきりとした答え がたくさんある」

——「これがいい」と追いかけるより「これをしてはいけない」と考える?
「どっちかと言うと、それが多いですよね」

——これから先という部分をどう見ているのか?
「ちょっと抜きながらやるというのが、僕のやり方なので、そこは人の目をごまかしたいな。残念ながら、アメリカには固定観念みたいなものが非常に強いの で、それとの戦いとは当然出てきますよね。だから、そこをいかにだましていくか。目いっぱいやってはいけないですよ。解釈によっては、いろんな意味になっ てしまいますけど」

——目標は変えていく?
「それは、常にそうですよ。今回だってそうですよ。オールスター前にやりたかったけど、できなかったら、次のプランを立てるわけですから。そうやって、も ちろんやっていきますよ。何かがこう、イメージと合わなかったときや、計画通りいかなかったときは、当然そういうことをやりますよね。そうしなかったら、 今度、前に進むことができないので」

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